【古事記の世界】天孫降臨

タケミカヅチの報告を受けたアマテラスとタカギムスヒは、アメノオシホミミを呼び出して、「葦原中国を平定し終わりました。この国は、あなたに任せましょう。いまから降って統治しなさい。」と仰せになりました。

ところが、アメノオシホミミは、「わたしが降ろうと準備をしていると、子どもが生まれました。ニニギノミコトと申します。この子を降すべきではないでしょうか。」と申します。

ニニギノミコトは、アメノオシホミミとタカギムスヒの娘との間に生まれた子供です。アマテラスとタカギムスヒは、「よろしい。ではニニギノミコトに、葦原中国を任せよう。いまから天より降りなさい。」と仰せになりました。

こうしてニニギノミコトは、筑紫（つくし）の日向（ひむか）の高千穂（たかちほ）に高天原より降り立ちました。これを天孫降臨といいます。

高千穂に降り立ったニニギノミコトは、笠沙の岬で、美しい乙女に出会いました。ニニギノミコトが「誰の娘だ。」とたずねると、その乙女は、「オオヤマツミ神の娘です。名はカムアタツヒメ。またの名をコノハナサクヤビメと申します。」

ニニギノミコトは「わたしは、あなたと結婚したい。どうだろか？」とたずねました。コノハナサクヤビメは、「わたしは申し上げられません。父オオヤマツミよりお答えします。」といいました。

ニニギノミコトが、父のオオヤマツミのところへ使いを出して、結婚を申し出ると、父のオオヤマツミは大喜びして、コノハナサクヤビメを姉のイワナガヒメとともに結婚するように申し出で、たくさんの贈り物とともにニニギノミコトの元に送り届けました。ところが、姉のイワナガヒメを見るとたいへん醜かったので、送り返すことにし、コノハナサクヤビメだけを自分の元に留めて、結婚しました。

ニニギノミコトとコノハナサクヤビメ

それを知った父のオオヤマツミは悲み、わたしの二人の娘を使わしたのには理由があります。姉のイワナガヒメは石のように堅く長寿を意味しており、妹のコノハナサクヤビメは、花のように栄えることを意味します。コノハナサクヤビメだけをお留めになったので、天つ神の御子であられるニニギノミコトは、木に咲く桜の花のように短いご寿命になるでしょう。」と申し上げました。このために、今に至るまで、代々の天皇には、ご寿命があるのです。

さて、一晩を共にしたコノハナサクヤビメは、ニニギノミコトに「私は妊娠したようです。この子は、天つ神の御子ですので、わたし一人で生むべきではないと思いましたので、申し上げます。」といいました。ニニギノミコトは、「たった一晩だけなのだから、わたしの子ではあるまい。国つ神の子だろう。」といいました。

それを聞いたコノハナサクヤビメは、
「わたしが妊娠している子が国つ神の子なら無事に生まれないでしょう。
天つ神の御子ならば、無事に生まれるはずです。」と言って、広い八尋殿（やひろどの）を作り、その御殿の中に入って、戸を土で塗り塞ぎ、陣痛がはじまると、御殿に火をつけさせました。その火のなかでコノハナサクヤビメは無事に御子を生みました。火が盛んにに燃えている時に生まれた子はホデリノミコト。次に生まれた子はホスセリノミコト。次に生まれた子はホオリノミコトといいました。


～戯言～

天孫降臨考えてもいませんでしたが、アマテラスの子、アメノオシホミミに葦原中国を統治を命ずるも行きたくないのか？アマテラスからすれば孫になるニニギに葦原中国を任す事から天孫降臨と云うんですね～